学長室 - 日本武道学舎ブログ
日本武道学舎 学長・吉田始史のブログです。
空手や合気道など武道の稽古で感じたことや、健康に関すること、 本の出版に関することやエッセイ、メールマガジン情報などを書いています。
【本当に久しぶりです】
2021-02-14 20:21
久しぶりの投稿になりますが、今回はユーチューブで説明したした
現代の剣豪伝がいかに世の中に広まったのかを紹介します。
これから運動基礎理論の説明だけではなく宮本武蔵の「五輪書」の
説明をしてみようか?と思い第1回目はそのキッカケと剣豪伝説はど
のように始まったのかを説明したいと思います。
今回、このキッカケを与えてくれたのは福田雅春先生とおっしゃるん
ですけれど合気道7段位で練馬区合気道連盟の理事長であり丹田呼吸
法クラブ代表をされている方でして、私の運動基礎理論に述べられて
いる理論は武蔵の五輪の書に書かれているのと非常に似ているという
趣旨で先生の著書である「呼吸から読み解く五輪書」を同封してくだ
さいました。
私と武蔵を比較されるのは噴飯物だと思いますが、闘争という観点
からではなく姿勢というか、本来あるべき姿あるいは意識するべき基
礎的な部分はさほど離れていないような気がするのも確かです。
武蔵を40年研究されているというだけあり、語られること書かれ
ていることに独自の理論があり色々学ばせて頂いております。これか
ら機会を見つけお会いして話をしたいとも考えております。
それで敢えて今回から若かりし頃読んだ「五輪書」を引きずり出し読
んでみました。読んだところ「水の巻」は確かに多くの共通点を見つけ
出せたので、これから「運動基礎理論で読み解く五輪書」というタイト
ルで今回を含め「序に変えて」剣豪伝説が今日に至った経緯を話させて
いただきたいと思います。
剣豪に目を向けられたのは昭和初期に始まる大衆娯楽小説という分野
であり、あくまでも娯楽という文字を前面に押し出されたものでした。
一口にしてチャンバラです。
これらは敵討ちお家騒動裁きものなどがさまざまだったがそれらをひっ
くるめて剣戟場面を意味するチャンバラで通った。活動写真(映画)の初期
もチャンバラ一色だった。
とにかく楽しむものであったが、しかしそこに剣法ならびに剣士としての
視点を持つ人物がでてきた。それは他でもなく直木賞で有名な直木三十五で
ある。
直木は昭和4〜5年ごろから菊池寛主催の「文藝春秋」を中心に剣法談義
を始める。目的は剣法独自の文化史を確立したかったようだ。
「剣法のみ独り、殺人的技巧の研究から入り、技巧の根元を抜け、人格を
説き、修養をいい、道徳を重んじ、飛び離れて「道」を重んじている。流祖
達の拓いた「道」は、他の武技、競技の祖において、全く見られないことで
あり、今日のスポーツ精神によって説かれるものより、スパルタ人より、と
にかく古今東西、無比なる立派な境地へ到達したのである」「ここにおいて、
私は流祖の人物を、戦闘時代の一切の英雄、学者の上に位せしめて、少しも
差し支えないと言いたいのである」 このように剣法の到達した道を称える視
点を、世間に広げた。
しかしやがて直木は古来有名な宮本武蔵をけなしだす。名 士と立ち会ってい
ない。試合のたびに遅刻する。振る舞いは傲岸、禄高が少ないなどの理由であ
る。
たいして武蔵崇拝者である菊池が「文芸春秋」の中で反発した。直 木はこれ
をうけ武蔵非名人説を展開するというふうで、人は新巌流島の対決といって面白
かった。
直木はさらに武蔵を褒める側に立った吉川英治にも矛先を向ける「吉川は何ら
考証的根拠を示さず武蔵はえらいとか精神力もすごいとか断言しているとはおか
しい。どのように偉いのかその実例をいろいろ発表してもらいたいと言って攻撃
した。それに吉川は黙っていたが「ぼくはそのまま引き退るつもりはなかった。
宿題として自分に応えてる準備ができたらおめにかけるつもりだった。と述べて
いるように1つの返答をもらっていた。
これがまもなく発表される小説「宮本武蔵」である。 一介の野人が登場し、
次第に求道的生活に入るという新たな武蔵像が出現する。その時すでに直木は他
界していた。
いずれにせよ直木・菊池論争は吉川武蔵がその結末となったこれがチャンバラ
という単なる娯楽から、上泉伊勢神秀綱・柳生石舟斎・塚原卜伝・伊藤一刀斎な
どの剣豪に光を当てる剣豪小説に移行するきっかけとなったといっていいだろう。
二刀流を使い二天一流を創始し剣豪の代名詞とまでなった「宮本武蔵」。
しかしその実像はどのようなものなのか? 我々の中に刻み込まれた宮本武蔵像は
あらゆる書籍や映画の中の宮本武蔵である。しかしそれらは全て吉川英治作を基に
した宮本武蔵であり、歴史に名を残している英雄と同様に陰までもが美しく描かれ
ており、読む人や見る人の心の解釈にも大きな違いを持たせる余地すら殆どないよ
うにまで刷り込まれています。
運動基礎理論の説明だけではなく宮本武蔵の「五輪書」の説明をしてみようか?
と思い第1回目はそのキッカケと剣豪伝説はどのように始まったのかを説明したい
と思います。 今回、このキッカケを与えてくれたのは福田雅春先生とおっしゃるん
ですけれど合気道7段位で練馬区合気道連盟の理事長であり丹田呼吸法クラブ代表
をされている方でして、私の運動基礎理論に述べられている理論は武蔵の五輪の書
に書かれているのと非常に似ているという趣旨で先生の著書である「呼吸から読み
解く五輪書」を同封してくださいました。私と武蔵を比較されるのは噴飯物だと思
いますが、闘争という観点からではなく姿勢というか、本来あるべき姿あるいは意
識するべき基礎的な部分はさほど離れていないような気がするのも確かです。武蔵
を40年研究されているというだけあり、語られること書かれていることに独自の
理論があり色々学ばせて頂いております。これから機会を見つけお会いして話をし
たいとも考えております。