学長室 - 日本武道学舎ブログ

日本武道学舎 学長・吉田始史のブログです。
空手や合気道など武道の稽古で感じたことや、健康に関すること、 本の出版に関することやエッセイ、メールマガジン情報などを書いています。

日本の2024

2024-01-06 21:41

 私達の常日頃の稽古は何のためにしているのだろうか?若い時は相手を倒すため。相手を倒すことによって自分の存在価値を高め、周囲に認めてもらおうと一生懸命だ。若ければ若いほど、そのような承認欲求が強く、他に自己表現できるものがなければないほど、周囲がほとんど認めもしないことで承認欲求を致そうとします。

 しかしある程度年齢を重ねてくると、単に自分を磨くという目的だけのために稽古をすることができるようになります。つまり承認欲求が伴わない稽古です。解りやすくいうと「誰かの目にとまる、何時かは人の目にとまるための稽古」か、「誰もいない離小島で何時人と会うかわからない、もしかするともう会えないかもしれない状況で自分のためだけに稽古」をするのか。

 全てに言えることですが、誰かに認めてもらいたいという承認欲求で突き進むのは励みになって良いのですが、認めてもらうことが目的になってしまいがちになり、裏表ができてしまったり表現が間違ってしまうこともでききやすくなります。

 ですから可能であれば少しでも目的に向かい「唯・・・」のが宜しいかと思います。しかしこの「唯・・・」が一番難しい。坐禅の時でも「唯・・座る」ことは容易いことではありません。色々なことが頭を過ぎってしまいます。同じように「唯・・歩く」「唯・・食事をする」「唯・・隣人に優しくする」など、普段からお互い頑張りましょう。

 

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