学長室 - 日本武道学舎ブログ

日本武道学舎 学長・吉田始史のブログです。
空手や合気道など武道の稽古で感じたことや、健康に関すること、 本の出版に関することやエッセイ、メールマガジン情報などを書いています。

​上虚下実

2019-06-29 12:51

上虚下実

さきに挙げたように人間のあるべき姿として上半身には余計な力みをなくし下半身を充実させた「姿勢」、あるいは「構え」(何かをしようとしたときの心構え)が必要です。この状態を「上虚下実」と言います。

「逆上せる(のぼせる)」「あがる」「緊張する」(伸筋ではなく屈筋がゆういになっている状態)。という表現がありますが、これらの状態は意識が上半身にあり、一般で言う頭に血が上った状態を言います。このような状態は、褒められた状態とは言えません。逆に「肚が据わっている」「肚ができてる」「落ち着いている」という言葉を聞いてもわかるとおり、下半身に意識がおかれている状態を人は褒め言葉として無意識のうちに使っています。

 しかしパソコン・携帯・ゲーム世代になり日常生活はもちろん仕事や人間関係でも頭優位になり併行して重心が上半身に集中しております。個人主義と言いながら誰かと繋がっていなければ不安でいられない矛盾をかかえ、重箱の隅をつつくような些事を声高らかにうたい、当たり前の大枠を忘れ「今だけ、金だけ、自分だけ」という「3だけ主義」になっている現代、我儘な頭を忘れ第一の脳と言われる「腸」の部分である丹田に身を委ねることを学ぶ必要性があるのではと考えます。上半身優位が心の病すら呼び寄せていることを忘れてはなりません。


編集後記

G20という何の拘束力もなくメリットもない集会が開かれ注目は米中貿易戦争一点に絞られています。アベ首相にすると開催国議長という立場で一般人への選挙アピールはしたつもりでしょうか結果につながるとは思えません。7~8月は日本国民が見る景色も大きく変わってくると思います。

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