学長室 - 日本武道学舎ブログ

日本武道学舎 学長・吉田始史のブログです。
空手や合気道など武道の稽古で感じたことや、健康に関すること、 本の出版に関することやエッセイ、メールマガジン情報などを書いています。

ストレスと血糖値、そして免疫

2020-05-03 20:00

脳の視床下部でストレスが認識されると、視床
下部はストレスによって体が受けたダメージを回
復しようと、「下垂体」という場所に指令を出し
ます。
 下垂体は、ダメージ回復の実働部隊ともいうべ
き副腎にストレス軽減に役立つホルモンを出すよ
うに指令します。

 これによって出るのが「コルチゾル」というホ
ルモンです。

 しかし、ストレスが続きすぎると副腎も疲れる
ためホルモンを出すことを休むように脳が指令を
出します。
 これが副腎の疲労状態で「アドリーナル・ファ
ティーグ」というものです。

 人間は60兆の細胞からできており、その60
%が水分であるとされていますが、それは60兆
の細胞それぞれが60%の水分を抱え込んでいる
ことを意味します。

 細胞にそれだけの水分を保たせているのは「マ
イナス75ミリボルト」という細胞の内側と外側
の「電位差」です。

 ストレスが加わるとこの電位差に乱れが生じ、
細胞から水分が失われます。この時、失われる水
分というのは、ただの水分ではなく細胞が活動す
るときに必要な養分など色々な大切なものを含ん
でいますから、細胞自体の活力が失われるのです。

 このとき、細胞レベルのダメージを回復させる
ことができるのが、「糖(グルコース)」です。
そしてコルチゾルは、この糖が細胞に行き渡り易
くなるように、血糖値をコントロールする働きを
持ったホルモンなのです。

 コルチゾルが増えると血糖値があがり、コルチ
ゾルが減少(正常化)すると血糖値が下がる。

 コルチゾルが血糖値を上げるのに対して、すい
臓からでるインシュリンが血糖値を下げるように
考えられていますが、細胞が血液中の糖分を取り
込むためにインシュリンが必要です。

 糖尿病は、大きく分けて、すい臓の機能自体に
問題が生じてインシュリンが出なくなるⅠ型と、
すい臓の疲弊によってインシュリンが出なくなる
Ⅱ型があります。

 糖尿病を放置しておくと症状が悪化して、決ま
ってみんな痩せていきます。これは、血液中に糖
がいっぱいあるのに、インシュリンが足りないた
め、細胞に養分を取り込めないのが原因です。

 インシュリンとコルチゾルは、たんに反対の性
質をもっているのではなく、互いに協力し合って
細胞に養分を送り込んでいるのです。つまりコル
チゾルとインシュリンは一緒に働くため、ストレ
ス状態が続き、副腎が疲弊するとコルチゾルを出
しているときは、インシュリンを出すすい臓も仕
事が増えるので疲れています。

 たとえ太っていなくとも、食べ過ぎていなくと
も、ストレスの多い生活をしていると、糖尿病の
リスクは高くなるのですから気をつけてください。

特にコロナの感染が騒がれている今、これらのこ

とは免疫力にも関わってきますから要注意です。

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