学長室 - 日本武道学舎ブログ
日本武道学舎 学長・吉田始史のブログです。
空手や合気道など武道の稽古で感じたことや、健康に関すること、 本の出版に関することやエッセイ、メールマガジン情報などを書いています。
正しい姿勢と腰痛
2021-02-19 22:39
正しい姿勢が身体に及ぼす影響を順次紹介していきたいと思います。
現在、腰痛もちは三人に一人とも四人に一人とも言われています。
ましてや介護をはじめとする力を使う仕事や、立ち仕事を続けている
人たちには特に多いようです。
何故私がこのように腰痛をはじめとする体の仕組みや、痛みを改善
することに興味を持つようになったのか。もちろん看護師という職業
柄からもくるでしょう。しかし何よりも、私自身が十八歳から腰痛も
ちであったためです。
腰痛もちであったにもかかわらず空手・合気道・剣道・柔道・ウェ
イト・トレーニングをはじめ、あらゆる運動をしていました。
そのためか朝起きたときは腰痛のためトイレまで四つんばいになっ
て歩き、トイレにつかまって起き上がる日が何年も続きました。
五十歳を超えた今、私は数キロをランニングすることができますが、
二十~三十代では腰痛のため五百メートルすら走ることができません
でした。
さらに困ったことに精神科での勤務が長かったので、薬を患者さん
に直接飲まさなければなりません。そのため飛沫がアレルギーを起こ
し、朝は必ず 五十回近くくしゃみがでていました。問題はそのとき
です。
くしゃみをすると、腰に立ってはいられない痛みが走るため、座り
込んでしまいます。その痛みを少しでも和らげるためにビーズクッシ
ョンを買い、くしゃみが出そうになるとそれにしがみいたものです。
そうするとくしゃみの衝撃が和らぎ、腰を少しでも守ることができる
からです。
それほどまでに腰が痛くとも、体を動かすことはやめられず、続け
ていたある日、稽古をしている最中、腰の角度を変化させることで力
の入り方や体重の使い方に違いがでることに気が付いたのです。
その後も、叩いたり、蹴ったり、投げたりと色々研究してみると、
腰の角度に重要なポイントが隠されていることを知りました。その重
要なポイントである腰の角度を正しく強化するトレーニングを始める
と、みるみる腰も改善されていきました。 その後も腰だけではなく首
の位置を決める背骨の角度なども大きく健康に影響を及ぼすことを知
り改善していきました。そして、同時に技のキレも格段と向上したの
です。
正しい技をするためには正しい姿勢が必要であるということ、そして
正しい姿勢は健康に直接結びつくということを知ることができたのです。
ですから強くなる、技の完成を目指すだけでなく正しく学ぶと同時に
健康にも結びつくことを念頭に精進すると歳を重ねても続けていくこと
ができるでしょう。