学長室 - 日本武道学舎ブログ

日本武道学舎 学長・吉田始史のブログです。
空手や合気道など武道の稽古で感じたことや、健康に関すること、 本の出版に関することやエッセイ、メールマガジン情報などを書いています。

仙骨を締める効果

2021-02-27 23:25

仙骨を締める効果   

 ここでは先ず姿勢の大切さを考えてみます。正しい姿勢が

どれほど強い体を作ってくれるのか幾つかの実験を紹介しま

すので行って見てください。きっと驚くことでしょう。

これは誰にでもできる簡単な方法です。      

 

 一人は両腕を曲げて相手を支えます。もう一人は両手で

相手に保たれるようにします。支える方は

仙骨を締めて寄りかかってきた人を支えます。支える方は

仙骨を締めたり、腰を反らせたりして違いを比較してください。

 ものを動かす、ものを持ち上げる時の基本がこの「仙骨」

を締めることなのです。一般的には腰を反らせたほうが、力が

入ると思われがちなのですが、腰を反らせると腰の一部に負担

がかかり腰を痛める原因になります。さらに自分の体重を使う

ことができないので、筋肉に対する負担も大きくなります。

 

 仙骨を締めるということは腰への集中的な負担を減らし、

重さを体全体へと分散させることができます。何にも増して

仙骨を締めるということは動かそうとするもの、持ち上げよ

うとするものに対して、自分の重心を近づけることができる

という最大の利点があるのです。

 

 腰が反っていては、いくら良いフォームで動いているつも

りでも肝心の中心となる腰が相手から離れてしまい、結局腰

に負担が集中してしまうのです。

 仙骨を締める、つまりうんこ我慢の姿勢をすることにより、

はじめて負担が下半身と背中全体に分散され腰を痛めること

もなくなるのです。

 

 どのように意識すれば良いのか? 原理は簡単です。

人がある物体を持ち上げようとする時、腰を反らせて持ち上

げようとするのか、仙骨を締めて(腰を丸めて)持ち上げる

のかの違いです。  

 

 腰を反らせるということは対象物から自分の重心を遠ざけ

ていることを意味しますし、腰を丸めるということは自分の

重心を対象物に近づけていることを意味します。

 

 同時に持ち上げようとしたとき後ろへ体重をかけることも

できるため、自分の体重を使って持ち上げたり、移動させた

りできます。 もう一つ、片手に重いものを持った時、腰が反

った時と仙骨を締めたときではどのような違いがあるだろう

か。

 

 片手に重たい鞄や買い物袋などを持つことはよくあること

です。 仙骨を締めた状態(腰を内側に丸めた状態)で、片腕

で重たいものを持ってみましょう。 重さにもよりますが仙骨

を締めた状態だと腰にまったく負担はかからず、腰を反らせ

た状態だと腰に負担がかかり、左右どちらかに腰が振られて

しまうことを体感していただけたのではないでしょうか。

 このように仙骨の締めは体の前後左右に負担がかかったと

き、体のブレをなくし、体全体に分散してくれるため、腰へ

の一極負担を減らしてくれるため、腰痛防止になるのです。

 

日頃の意識が健康を守ってくれます。

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