学長室 - 日本武道学舎ブログ
日本武道学舎 学長・吉田始史のブログです。
空手や合気道など武道の稽古で感じたことや、健康に関すること、 本の出版に関することやエッセイ、メールマガジン情報などを書いています。
歩行の速さについて
2021-03-08 17:09
2010年、海外で発表された研究結果が注目を集めました。
共同生活をしている65歳以上の男女3万4485名を6~21
年間追跡調査した海外のデーターでも歩行速度が速い人ほど生存
率が高く、遅ければ生存率が低いことが示されています。
65歳の男性を例にとると、秒速1,6mで歩行する人の平均
寿命は95歳以上、秒速0,8mの人は80歳なのに対して秒速
0.2mの人の平均寿命は約74歳。この傾向は男女ともに共通
しており、歩行速度と平均寿命は比例しているという結果が出さ
れています。
また、歩くことで大腸がんを予防する効果があることも明らか
になり、運動不足のグループ大腸がんのリスクは、「平均運動量」
のグループと比べると2倍以上、「積極的に運動」するグループと
比べると、リスクは約4倍になるというのです。
歩くことで便秘が改善され、老廃物が腸内にとどまらないため
大腸がんのリスクが低くなると言うことが、理由として考えられ
ています。
さらには1日30分以上、1週間で2時間以上の早歩きは善玉
コレステロールを増やすと言う調査結果もあります。
1週間に3~5時間歩く人は、1時間未満しか歩かない人に比
べ乳がんによる死亡率が50%も低くなるという研究報告もされ
ております。 これから雪が溶け、春が訪れる前に少しでも歩ける
ように安全な部屋で足踏みから始めても良いのではないでしょう
か。
無理をせずに頑張りたいものです。
編集後記
私は精神科に22年勤務し、その後高齢者相手の仕事を15年続
けておりますが、実際経験上確かに比例していると思います。中
には例外もおりますが、健康寿命は間違いなく比例していること
は専門分野にいない人でも想像はつくでしょう。