学長室 - 日本武道学舎ブログ
日本武道学舎 学長・吉田始史のブログです。
空手や合気道など武道の稽古で感じたことや、健康に関すること、 本の出版に関することやエッセイ、メールマガジン情報などを書いています。
二八の論理 第二段
2019-09-12 23:13
二八の論理 第二段
これは自論ですが、ヘソから下の意識が八割、上半身二割というのも大切です。医学的にもヘソから下の筋肉は全体の七割から八割と言われております。ウェイト・トレーニングなどで上半身が異常発達し、比率が五割対五割では若い時は不自然とは言え、見た目に格好が良いと憧れる人もいそうですが、健康的には不自然であるため加齢とともに自然に向かって戻っていくようです。この上半身と下半身の筋肉量の比率は血圧とも密接に結びついており、上半身を鍛えていれば鍛えているほど衰えた時に血圧が高くなりやすい傾向があります。 筋肉量だけでなく意識も上半身二割、下半身八割が理想だと思います。
この比率が自然になった時、一般で言われている「脱力」というものができるのではないでしょうか。もちろん「脱力」には意識に到達する前に、私が他の本でも紹介している軸を作ることができていることが前提であり、先に先述した背中八割、正面二割、上半身二割に下半身八割ができていることが大切になります。前述した、立った姿勢や動く前の姿勢が二対八になったとしても、動こうとした瞬間に意識は前に出やすいものです。つまり正面の意識が八になり、背中の意識が二になってしまうのです。殆どの場合、上下の関係も崩れてしまい、上半身への意識が多くなってしまいます。これでは技はかかりませんし、本当のあるべき姿勢とは言えなくなります。動きの中でこそ二対八の存在が必要であり、その姿勢を自分の自然な姿勢として維持できなければならないのです。