学長室 - 日本武道学舎ブログ

日本武道学舎 学長・吉田始史のブログです。
空手や合気道など武道の稽古で感じたことや、健康に関すること、 本の出版に関することやエッセイ、メールマガジン情報などを書いています。

副交感神経と交感神経

2020-03-29 18:42

副交感神経とは、交感神経とともに自律神経
系を構成する神経です。交感神経とはつねに拮抗
して働き、交感神経が緊張状態を作り出すのに対
し、副交感神経はリラックス状態をもたらします。

 くつろいだ気持ちでいるときは、副交感神経が
自律神経系で優勢な状態にあるということです。
胃の状態を調べると副交感神経の状態がわかるの
かといえば、副交感神経が呼吸や消化、循環など
の機能を支配しているためです。

 副交感神経の働きが高まると末端からアセチル
コリンという物質を分泌し、心機能などは抑制し
ますが、消化管運動は促進されます。

 夜、眠るときのことを考えてみてください。血
圧が下がっても、胃や腸は活発に動いています。

 集中力は脳の活動状況と関係しています。脳血
液中のヘモグロビンというたんぱく質の変化を測
定する方法があります。

 ヘモグロビンは赤血球などに含まれるたんぱく
質で、酸素や二酸化炭素を運搬する役割をしてい
ます。
 最初、酸素を運搬するヘモグロビンの数値が下
がり、二酸化炭素を運搬するヘモグロビンが増え
ることがわかりました。
 ヘモグロビンが酸素をどんどん脳細胞に送り込
み、代わりに二酸化炭素を受け取っているという
ことが推測されるのです。
 10分ほど経過すると逆転し、二酸化炭素を運
ぶヘモグロビンが減り、酸素を運ぶヘモグロビン
がどんどん増えていくのです。
この変化は脳細胞に酸素が十分、行きわたったこ
とを推測させます。

 腸腰筋という背骨から大腿部を結ぶ筋肉が強け
れば強いほど、身体全体のバランスがよくなり、
軽快に動けるようになります。
 腸腰筋が動けば、そこにのっている腸や腸管膜
が刺激され、燃やすことが非常に難しい内臓脂肪
を燃やす体質ができるのです。

 さらには腸腰筋をいい具合に刺激されることで、
脳幹、つまり延髄から橋、中脳、さらにはその先
にある間脳までが影響を受けます。
 私たちの生命活動の根幹を担っている脳を刺激
することができるのです。その結果、自律神経の
バランスが改善されます。

 夜、寝る前に身体をゆるめてやれば、交感神
経の興奮がおさまり、副交感神経の働きが優位
になります。

 交感神経が精神を高ぶらせ、緊張状態を作り
出す神経であるのに対し、副交感神経は疲れた
心身をリラックスさせてくれる神経です。

 寝る前に副交感神経が優位になれば、リラッ
クスして熟睡できますから、疲労が回復します。
 朝、目覚めた瞬間から爽快感があり、活動
性が高まり、何か始めたくてたまらない気持
ちになるのです。
 そうなれば自然と基礎代謝が増え、運動量
も増え、カロリーを消費しますし、ストレスが
たまって過食をするといったことがありません。

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