学長室 - 日本武道学舎ブログ

日本武道学舎 学長・吉田始史のブログです。
空手や合気道など武道の稽古で感じたことや、健康に関すること、 本の出版に関することやエッセイ、メールマガジン情報などを書いています。

「関節」脱臼と捻挫そして機能と構造

2020-04-03 17:44


関節の構造

関節には360度動く肩関節やや片方にしか動かない
膝関など色々な関節がありますが、共通して言える
事は2つの関節が触った状態でこすれるわけですから、
当然摩擦し、熱が出ます。

その摩擦をなるべく減らすために、触れるべき骨の端
は軟骨(0,5~1ミリ)でおおわれて、関節包とい
う袋でつつまれています。その袋の中には滑膜があり、
潤滑油の働きをする粘液を出しています。この粘液、
医学的にはジノビア(卵白)といわれています。

脱臼と捻挫

動きやすく作られている関節は、無理な力が加わると
はずれることがあります。これを脱臼といいます。
この脱臼がおきないように関節の周囲には、靭帯(じ
んたい)と呼ばれる補強用の組織があります。

寛骨の大きい深いくぼみ(関節窩)にはまっているの
ですが、完全に抜け出たのが完全脱臼、不完全に抜け
出たものが亜脱臼(あだっきゅう)といいます。

聞いたことはありますか?

脱臼までならなくとも力が必要以上に加えられると
靭帯を痛めることがありますが、これを捻挫といい
ます。
この時、関節軟骨や関節包も傷つきます。
関節包内の滑液が外傷のため漏れ出たり炎症のため
に分泌量が多くなり、溜まったりする事もあります。

機能が先か、構造が先か

「全ての機能は使用しないと駄目になる」だから、
一所懸命・・・しなさい。子供の頃からよく言われ
る言葉です。
全ては使われてこそ、その役割を果たしかつ発達し
ていくことは誰もが知ることです。
例えば子猫のまぶたを窩縫い付けて目に光が入らな
いようにしておくと、その後目に光を入れても閉じ
られていた目は構造上の異常が発見されないにも関
わらず一生盲目になってしまいます。

これには人間でも適用するでしょうし、股関節を例
にとっても腹ばい、ハイハイ、歩行の過程でしだい
に骨が削られて、窩ができるのです。

これは、運命論を信奉しつつも懸命に生きるという
矛盾する側面にぶち当たりますが。
私の言いたいことは、筋肉や骨格・神経や内臓はお
ろか性格にいたるまで、人間の肉体・精神を決定
するのはDNAという遺伝子のなせる技ではありま
す。

しかし、上にあげたように構造を決定づけるのは、
食生活であり、家庭環境であるのですから。
弓道を長くしていると片方の腕が長くなり、固い
ものを叩いているとタコができ、いつも算盤など
で計算をしていると暗算が速くなるなど肉体や頭
脳、そして精神までもがその後の努力が大きく影
響することも忘れてはならないでしょう。

私も45年空手をはじめ合気道・剣道など様々な武道
と呼ばれているものを続けていますが、年齢を重ね
るごとに継続と構造変化の狭間にあり紆余曲折を重
ねております。

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